約5年間ホームレス生活をしていたTさんの生活保護申請のお手伝いをしました。
「自分一人だったらなんとでも生きていける」と言っていたTさんが申請をし、人間らしく生きていきたいと踏み出した理由は一緒に過ごしてきた猫の命を守りたいから。
様々な人生経験をされたTさんがホームレスの生活に入ったきっかけは型枠大工の仕事をしていた会社がつぶれ、家賃の滞納がかさんだため。
公園の人目のつかない場所でのテント生活。天気の悪い日は、公衆トイレ。「雨風さえしのげれば生きていける。でも猫の餌が買えないのが困る」と話しておられたTさんです。
自分の人生をあきらめていたTさんを「人間らしく暮して行きたい」と変えたのは守りたい猫の命ができたこと。
「あきらめではなく、生きることを保証する制度が充実していれば」と悔しい思いを感じつつ、Tさんに寄り添ってくれた猫ちゃんに、人(命)とのつながりの大切さを教えられた思いです。
10年10月31日付「豊平区新聞」より