寒い日が続いていますが、こんな真冬に大地震が札幌を襲ったらどうなるでしょう。札幌は太平洋からは離れており、東日本大震災のような海溝型の地震の影響は受けにくいですが、阪神淡路大震災のような内陸で起きる直下型の地震に見舞われる可能性があります。
札幌市は2008年に直下型の地震が発生した場合の被害想定を発表しました。これによると、豊平区のほとんどの地域が震度6強から7に見舞われるとされています。こうした地震が真冬に起こった場合、地震による直接の死者2050人に加え、倒壊した建物に挟まれて脱出できない人が24時間で、6184人も凍死すると想定しています。札幌では真冬の災害を想定した対策が必要です。
札幌市は、避難場所の整備や応急救援備蓄物資の配置方針などについて、「避難場所基本計画検討委員会」を設置して検討を重ねてきましたが、昨年末に「札幌市避難場所基本計画(素案)」として公表しました。現在この計画(素案)について広く市民から意見を募集しています。意見の締切は1月25日です。計画(素案)はホームページでも見られますし、区役所企画課、各まちづくりセンターで入手できます。市としては、市民のみなさんからの意見をふまえ、今年度中に計画を決定する予定です。
参考までに以下、その概要をお知らせします。
市立の小中学校、体育館を基幹避難場所に
被災して自宅で生活できない人の基幹となる避難所を、市立の小中学校と体育館とする。このため市立小中学校の耐震化を進める。災害時要援護者等が優先的に暖を取ることができるスペースとして、学校一階の部屋を避難場所としてあらかじめ指定し、移動式灯油ストーブを備蓄する。
すべてに備蓄物資を配備
これまで、市内の一部避難所にしか備蓄物資は配備されていなかったが、すべての基幹避難所に備蓄物資を配備する。
寝袋11万人分
寒さ対策として移動式灯油ストーブを市立小中学校1校当たり2台備蓄する。避難者を最大11万人と想定し、寝袋と毛布をそれぞれ1個1枚づつ配給可能な体制とする。寝袋は札幌式高規格寝袋(クッション材と一体化し、中綿も多いもの)と通常のものがあるが、通常の寝袋の防寒機能を補うため、防寒用アルミ蒸着シートを備蓄する。
食糧13万人分、アレルギーにも配慮
食糧は最大需要量の13万人余りに対し1人当たり2食分を備蓄する。東日本大震災で問題となった食品アレルギーにも配慮し、可能な限りアレルギー対応食品を備蓄する。
断水対策
災害発生時直後の断水対策として、簡易便座・排便収納袋・便凝固剤を備蓄する。乳幼児、簡易便座で排泄困難な高齢者のために、紙おむつを備蓄する。
照明、情報収集
ろうそくランタン、ラジオ付き手回しライトを備蓄する。停電対策として備蓄する発電機に併せて投光器を備蓄する。調理器具としてLPガスコンロについても備蓄する。
その他、避難所の運営方針等についてもふれています。
札幌市の新年度予算の編成にあたって日本共産党市議団が市長に提出した要望。前号の続きで、主なものを掲載します。
成人の日の14日、豊平区の成人式は市民センターで開催されました。日本共産党豊平区委員会と民主青年同盟は昨年に引き続き、今年も、新成人を祝って、会場前で宣伝を行いました。
「成人おめでとう」の横断幕を掲げ、マイクから池田ゆみ市政相談室長が、新成人に以下のように訴えました。
学費軽減、働く人の所得向上を
成人おめでとうございます。成人となって希望に胸をふくらませていると思います。しかし、今の日本は若者が希望を持って働き、学べる社会とはなっていません。日本の学費は異常に高く、奨学金を借りても返さなければなりません。親にとっても教育費は重い負担となっています。世界の流れは学費の無償化です。奨学金は給付型に、若者の学ぶ権利を保障させましょう。
昨年カナダのケベック州では、学費の値上げを巡って学生の大規模なデモが起き、学費の値上げをストップさせました。私たちの願いを声に出し、政治を変えていくことが大切です。教育に責任を持つ政治を実現させましょう。
民主党政権に代わって自民党政権が復活しました。景気回復のため、2%の物価上昇をめざすとしていますが、賃金切り下げ、非正規不安定雇用はそのままに、大規模公共事に金をつぎ込んでも、潤うのは大企業だけです。260兆円にものぼる大企業の内部留保を雇用の確保と賃上げに使えば内需が拡大し、景気が回復します。雇用は正規雇用が当たり前に、貧困の広がりと格差の拡大にストップをかけ、働く人の所得を増やす政治に転換させましょう。
池田室長は、毎週金曜日夕方行われている道庁前の原発なくせの行動なども紹介し、原発から自然エネルギーへの転換を訴えるとともに、日本を戦争のできる国にしようとする安倍首相の危険な動きについても厳しく批判しました。
また、若者の願いに応え、ともに語り、学びあいより良い社会をめざす青年の組織である民主青年同盟についても紹介、「関心を持たれた方は是非ご連絡をください」と民青同盟への加入を訴えました。
この日も真冬日の寒い日でしたが、宣伝には7名が参加し、民主青年同盟へのお誘いのチラシとほっかい新報号外それぞれ200枚を配布しました。チラシが欲しいとわざわざ、配布している人の所まで受け取りに来る新成人もいました。
吹雪に遭えば、枯れた木々の葉はほとんど落ちてしまいますが、しぶとく残っているものもあります。カシワの木には、大きなワラジのような葉が群がって残っています。葉の裏にはもさもさとした毛がたくさん生えています。
カシワは「炊葉」の意味で、食物を盛る葉として使ったことから来ているということです。その名残は、今はかしわもちを包むのに残っています。
13年01月20日付「豊平区新聞」より