「子どもは親を選んで生まれてくることが出来ない」。最近、その思いを強くした出会いがありました。
その子は、親の経済事情や家庭環境に振り回され、時には親からの虐待も受けて育ちました。私の言葉に強がった態度を示しながらも、少しは耳を傾け、何とかしたいという思いも感じられました。自分の力で自立したいという願いはあるものの、自立したくても働く先はなんの保障もないアルバイトで将来に希望や夢が持てない状況です。実際どうしたら良いのかわからず、そのことを素直に相談もできず強がっているのです。
本来、どの子もしっかりと育っていける道筋を国が保障するべきです。小泉さんから始まった構造改革路線、「官から民へ」の流れの政治が国民にもたらしたことで「よかった」と思えることがひとつでもあったでしょうか。何でも「個人で責任を取って下さい」「国の助けをあてにしないで下さい」と自己責任を追及され、「貧困も病気もあなたの責任なんですよ」と迫られていく社会です。こんな冷たい政治のなかで、子どもたちの育ちにも格差が生まれています。
医療や教育、社会福祉制度・働き方を守るルールがせめてヨーロッパ並みになるようにとだれもが願っています。この願いを実現させるためにも、アメリカと大企業のための政治から国民の命とくらしが守られ、子どもたちがしっかり守られる政治への転換が必要です。そのために、大人である私たちができることを、みんなで考え行動しましょう。
07年10月28日付「豊平区新聞」より