8月26日札幌市教育文化会館で、原発問題全道連絡会、原発問題全国交流会道実行委員会主催の「原発・放射能汚染と自然エネルギー導入を考えるシンポジウム」が開催されました。
会場に座りきれない190名が参加し、原発問題について学ぶとともに意見交換を行いました。
主催者として挨拶に立った原発問題全道連絡会代表委員の菅野氏は、現在の情勢を以下のように語りました。
――各種の世論調査で、「原発からの撤退、自然エネルギーへの転換」という意見が多数を占めている。各自治体でも原発からの撤退を求め決議が相次いでいる。泊原発3号機営業運転再開で道内の学者研究者も動き出した。北電でも「やらせ」が発覚、電力会社の倫理観が問われている。原発ノーの運動、自然エネルギーへの転換を求める運動には道理がある。原発からの撤退に向け運動を強めて行きましょう。
シンポジウムでは4人の方から話題提供を頂きました。以下、その概要をお知らせします。
科学者会議の石崎会員は福島原発事故による放射能汚染の現状を中心に以下のように報告しました。
――福島原発の崩壊熱は10年経っても今の2/3くらいにしか減らず、長い間の冷却が必要である。チェルノブイリ原発事故による放射性セシウム汚染区分(1平方メートル当たり148万ベクレル以上)に従えば、福島原発のある大熊町から飯舘村に至る広い範囲が居住禁止区域になってしまう。これから米の収穫期に入るが、農産物の汚染も懸念される。原発から離れた地域でも放射線量の高い地域があり、今後の監視が必要である。
泊原発に山を隔て隣接する余市町からは、8月の選挙で議席を回復した共産党の中谷議員が余市町での取り組みを報告しました。
――余市町では6月議会で共産党提出による「原発からの撤退、自然エネルギー転換を求める」意見書を全会一致で採択。さらに町民アンケートでは、回答のあったうちの7割の方(153件)が原発に対する不安や、政府の無策、原発の廃止などについての意見を記入してくれ、町民の関心の高いことが示された。
現在、原子力災害に関する防災計画は10Km圏内を対象としているが、余市町は山一つ越えれば泊で、西風が吹けば被害を免れない。余市町の果樹農家、ワイン農家は被害がなくとも風評被害が怖いと訴えている。IAEAでも防災計画は30Km圏内を対象としており、近隣市町村にも働きかけ防災計画の見直しを国に求めていきたい。
福島の現状について、核廃棄物施設問題で頑張っている幌延から牧草支援に取り組んだ農民連の鷲見さんから報告がありました。
――牧草が汚染されて与えることができず困っている福島の酪農家を助けようと、5月初めに北海道から牧草を運ぶことにした。現地は一体どうなっているか、この目で見、農家の方々と直接話をしたいと、自分のトラックで出発。フェリーの運賃だけでも21万円もかかるが、メーデー会場での訴えやマスコミにも取り上げてもらったおかげで、カンパの輪が広がり北海道全体の取り組みになった。道労連やマスコミ各社にお礼申し上げたい。運送会社に委託しての輸送では、放射能の危険があるから南相馬までは行けないとの運転手の訴えに、福島で引き継ぐことに。南相馬からは160台もの軽トラックがかけつけPRにもなった。
避難区域では家畜はほったらかし、車で行くと餌をもらえると思って牛がついてくる。一時帰宅してもできるのは死んだ牛にシートをかけるだけ。牛だけでなくブタや鶏も多数餓死している。チェルノブイリでは家畜は避難させたが、福島では置き去り。その話を聞くにつけ涙、涙、でした。私は福島に行って人生観が変わった。この現状をみんなに知らせなくては、これが幌延の未来の姿になるかもと。
バイオマスのエネルギー利用に取り組んでいる北大工学部の山形氏からは、北海道における再生可能エネルギー(自然エネルギー)の現状と課題について話題提供がされました。
――電力不足と騒がれているが、私たちは電力会社に電力を使わされてきたのではないか、その結果電力依存、原発依存の中毒になっているのではないか。北海道は食料自給率200%で食料を他県に供給しているが、農業でも多くの石油を使っている。イナワラの多くは野焼きにされているが、これを利用すればモミの乾燥に使える。身近な所から自然エネルギーを使っていくことが必要である。木質バイオマス(間伐材、木材チップなど)は砂川の発電所で石炭との混合利用が始まっている他、足寄町では庁舎の暖房に木質ペレットを使っている。その他、風力、太陽光、バイオガス発電などいろいろな自然エネルギーがあるが、この普及を阻んでいるのは電力会社が電力を買ってくれないことで、買い取りを義務づける必要がある。
原発については、道の条例でも過渡的エネルギーと位置づけている。問題はいつまでを過渡的とするかである。今すぐに原発からの撤退を決断し、自然エネルギー技術の開発に力を入れるべきである。
日本共産党道政策委員長の畠山氏もフロアーから発言し、しんぶん赤旗がスクープした北電のやらせ問題のいきさつを紹介しました。また真下道議からもメッセージが寄せられました。
日本共産党後援会と区委員会では、地下鉄駅前での宣伝を続けています。この間月寒中央駅、平岸駅、福住駅前での宣伝が取り組まれ、原発からの撤退を訴えました。
泊原発3号機の営業運転再開については、「高橋知事に失望した」との声が聞かれました。
原水爆禁止2011年世界大会(長崎)に参加したK.A.さんからレポートが届きました
新婦人さつき班、豊平区生活と健康を守る会の方々の声を背に、原水爆禁止2011年世界大会(長崎)に北海道代表団の一人として参加させていただきました。北海道からは150人が参加しました。
長崎は、長崎港を中心にして擂鉢型の街で坂が多く夜景がきれいで、三大夜景になっているそうですが、昔の地獄化した街とは想像もできませんでした。
物は新しく作り変えても、人は作りかえる事は出来ない。命の重さを感じました。
世界大会は、海外から大勢、全国から7800人の方が参加し熱気ムンムンでした。その中で、共産党の志位委員長、長崎市長も出席され「核による被害者を作らない」その為にも「核兵器廃絶、原発ゼロを」と、訴えていました。
「核兵器のない世界」のパネルディスカッションに参加しましたが、それはそれは会場一杯、若者、青年達が集って、どんどん意見、主張を言い、署名活動もし、行動を起こしている姿をみて感動してしまいました。
長崎民商の大石さんは被爆者訪問に力を入れて語りついでいきたいとおっしゃっていました。
普段と違った人の生きざまに触れ、厳しい、苦しい中でも懸命に生る姿から「生きることの大変さ」と「平和を伝えることの大切さ」を心に感じてきました。
中国原産の花木で庭に植えられています。茎は太い蔓となって長く伸びます。花が少なくなる真夏に大きなラッパ状の赤い花を房状につけよく目立ちます。本州では、真夏日が何日も続く盛夏にこの花が咲くと、一層暑苦しさを感じさせますが、札幌ではちょっとした熱帯気分をかもしだしてくれる花です。市営住宅の庭で見つけました。
11年09月04日付「豊平区新聞」より