介護保護法では3年ごとに、市町村が介護保険事業計画を定めることとなっています。介護保険事業が発足して12年、今年度からは第5期の事業計画になりますが、第5期では、保険料の値上げとともに、「介護予防・日常生活支援総合事業」と「地域包括ケアシステム」の導入が大きな問題を含んでいます。
15日、大阪社保協介護対策委員の日下部雅喜さんを招いて、第5期の問題点について学習会が札幌でもたれました。ここでの話をもとに、介護保険の問題についてお知らせします。ちなみに、日下部さんは堺市の介護担当職員でもあり介護問題の専門家です。
介護保険制度は、必要になったときに介護が受けられるはずのものですが、介護保険制度が始まっても、介護を理由とする心中や殺人は毎年50件も発生しています。また家族介護を理由とする退職も毎年10万人を超えており、介護保険制度がめざした「介護の社会化」にはほど遠い状態です。介護サービスについては特養ホームでも食費、部屋代の負担で月15万円もかかり、厚生年金で平均月17万、国民年金で平均月5万円の年金ではとてもサービスを受けられない状態です。一方保険料は、1号被保険者(65才以上の方)の保険料基準月額については全国平均で発足当時2911円であったものが、第4期で4160円となり、第5期では5千円を超えると見込まれています。
15日、大阪社保協介護対策委員の日下部雅喜さんを招いて、第5期の問題点について学習会が札幌でもたれました。ここでの話をもとに、介護保険の問題についてお知らせします。ちなみに、日下部さんは堺市の介護担当職員でもあり介護問題の専門家です。
第5期の事業計画では支援サービスの「総合事業」への置き換えが進められようとしています。これは、市町村・地域包括支援センターの判断で要支援1、2の人でも、要介護認定にもれた人を対象とした「介護予防・日常生活支援総合事業」に移せるというものです。この「総合事業」、名前はいいのですが、財源は介護給付費の3%以内と限定されている他、人員や設備等の運営基準がなく、公民館を利用して無資格のボランティアが対応するということにもなりかねません。要支援者を金のかからない総合事業にまわして切り捨てることになりかねません。ちなみに、札幌市では国から参考となる手引き等が示されていないので今のところ実施しないとしています。
病院や特養ホーム等に依存せず、住み慣れた地域でケアを受けながら最後まで過ごせるようにするというものですが、現状ではまじめに考えられないものです。この基本的サービスとして「24時間定期巡回・随時対応型サービス」がうたわれています。病院にいなくても24時間見守っているから大丈夫、ということですが、1回5分から20分程度の定期巡回では満足な対応ができません。随時対応といっても、現状では、せいぜい電話で「では、あすお伺いしますから」と答えるのが関の山ではないでしょうか。基本的な医療ケアも看護師から介護福祉士に移し、生活援助は自治会やNPOに任せるというサービスの低下も懸念されます。「自助、互助、公助」をうたい文句に介護を「市場」にまかせ、要介護者を病院や特養ホームから追い出す介護と医療の公費抑制システムになりかねません。
日下部氏は、本物の「地域包括ケア」実現のためには、これを介護・医療の公費抑制の口実にさせないこと、公的責任による基盤整備、住民の参加、営利の対象にさせないことが大切であると強調しました。
「北海道から原発をなくそう」と、13日、道原発連などによる「原発ゼロをめざす大運動」の意思統一会議が札幌で開かれました。
日本共産党の大門みきし参議院議員が原発問題をめぐる情勢について以下のように報告しました。
政府の収束宣言にもかかわらず、大量の放射性物質が放出されている。原発がなくても電力供給は可能であり、事故原因の徹底究明、汚染対策、損害賠償が今後の課題である。原発推進の背景には財界とアメリカの強い要求があり容易ではないが、対決軸は明確になってきた。
大門氏は、「情勢を動かすのは世論と運動です」と参加者をはげましました。
集会では、①「原発ゼロ」100万人署名の達成、②2月18日に「さようなら原発1000万人アクションin北海道」を「かでるホール」で開催、③3月11日に「福島原発事故から1年、なくそう原発!許すな再稼働!北海道集会」を開くことなど、今後の行動について確認しました。
札幌市の第5期介護保険事業計画については、中間報告書が出され、一般の意見募集が行われました(1月17日締切)。この中では、65才以上の方の保険料基準月額については、必要とされる費用をまかなうためには5100円程度となるが、「北海道介護保険財政安定化基金」、「札幌市介護給付準備基金」の活用により、保険料の抑制策を実施すると4800円程度となると見込んでいます。4期より670円の値上げです。
保険料は、前年の所得に応じ基準額の半額から2倍まで変動させる仕組みになっています。
今後計画が決定され、3月議会で条例改定が行われる予定です。
昨年12月の号でガードレールに食い込む木の話をしましたが、このシンジュの実が雪の上に落ちていました。細長い薄膜に包まれ、中央に種子が1個あるめずらしい形をしています。薄膜の先端はねじれています。ヒラヒラと風に乗って遠くに飛んでいけます。シンジュは明治年代に中国から渡来。成長が早いことから庭にも植えられ葉の形がウルシに似ているころからニワウルシの名もあります。ちょっとした空き地やコンクリートの割れ目でも芽を出しどんどん大きくなりますが、ほとんどはじゃまになるので切られてしまいます。
シンジュは成長が早く、すぐに大きくなります。ここの木の幹も途中で切り落とされ整枝されていますが、幹は太り続けガードレールをも飲み込む勢いです。
12年01月22日付「豊平区新聞」より