12月から厳しい寒さが続く今年の冬ですが、ここに来て、灯油をはじめガソリン、軽油など燃油が値上がりを続けています。日本共産党や民主団体は、灯油、燃油価格の高騰対策に取り組んでいます。
宗谷、根室、桧山管内では灯油価格は1リットル当たり106円(配達価格)に。札幌市内でも100円を超え、生活を直撃しています。特にお年寄りにとっては深刻です。年金が下がり続けているなかで、これ以上支出を増やすわけにもいきません。暖房も我慢では、命にかかわる事態にもなりかねません。「福祉灯油」を実施する市町村は全道179市町村のうち125市町村に広がっています。農・漁業や運送、銭湯など、燃料を多く使う業界にとっても、死活問題になりかねません
日本共産党の森つねと道国政相談室長(参院北海道選挙区予定候補)は道政策委員長の畠山和也氏、宮内聡氏とともに、北海道生活協同組合連合会(道生協連)を訪ね、灯油の値上がりについて前川和広専務理事と懇談しました。
前川氏は、「1月に100円を超えるのは、今世紀に入って初めて」と語り、異常な高騰の背景として、「原油コストはこの間、2円しか上がっていないのに、仕切り価格(仕入れ価格)は8円も上がっている。今、店頭価格が上がっているのは、中近東の(政情不安の)問題ではない。バクチとも言える『スポット市場』で決められる価格で決められている。しかも、この相場の灯油が入ってくるのは2カ月先なのに、すぐ価格に反映されてしまっている」と説明しました。
この「スポット市場」には、投機マネーが流入しているともされています。生活必需品が投機マネーの対象にされ、利益のために価格が吊り上げられるのではたまりません。日本でも大企業は260兆円にものぼる内部留保をかかえていますが、こうした金が投機に回されており、「安倍首相が進める金融緩和を行っても、こうした投機に流れるだけ」という指摘もあります。
前川氏は「灯油のコストはどれだけかかっているのか、明確にされるべきだ」と指摘し、森氏は、「北海道にとってライフラインである灯油の値段が、不透明な価格設定によって左右されるのは問題」とし、この対策をすすめることを約束しました。
札幌社会保障推進協議会(札幌社保協)、北海道生活と健康を守る会(道生連)、新日本婦人の会札幌協議会(新婦人)、札幌明るい老後を作る会の4団体は1月30日札幌市に対し、低所得者に対する福祉灯油や、あったか応援資金などを緊急に実施するよう申し入れました。
福祉灯油は、市町村が低所得者や高齢者などへ、一定の金額や灯油量を支給するもの。
灯油価格が大幅に上がった2008年は、道内の172市町村が実施しましたが、札幌市は実施しませんでした。道は地域づくり総合交付金を追加、国では特別交付税での半額措置が取られました。
当時より価格が上がっている今年こそ、緊急対策が必要です。
申し入れに当たって、「灯油価格の高騰で、高齢者などは、食費をはじめ生活費を切りつめています。命にかかわる問題ですぐに対応を」、「1リットル100円を超えて大変な事態になっており、早急な対応を」と訴えました。
札幌市としては「福祉灯油」実施の予定はないとし、「あったか応援資金」についても、返済が滞っていることを理由に慎重に検討するとしています。
対応した札幌市保健福祉局の渡辺総務部長は、「灯油価格の動向を注視し、何らかの対策を検討していく」と回答しました。
日本共産党道委員会は「灯油・燃油高騰対策本部」(本部長、森つねと参院北海道選挙区予定候補、副本部長真下道議)を立ち上げました。森、真下両氏は畠山和也党政策委員長とともに、2月1日、道に対し、燃油価格の高騰に対する対策を早期に実施するよう要請を行いました。
真下道議は、自治体が福祉灯油を実施できるよう地域づくり総合交付金を5億円程度増額すること、燃油価格高騰による農業・漁業、中小企業への対策を講ずること、を要望しました。
森氏は、「公衆浴場では燃料費が高いため、営業時間を短縮するなどギリギリの経営を強いられている。具体的な対策を早急にお願いしたい」と訴えました。
畠山氏は、農業・漁業関係者からは燃料価格の高騰に対する不安が広がっていると述べ、早急な対応をと訴えました。
対応した山谷経済部長は、「道としても先日、国に要請した。各石油関連会社には順次、価格の安定、在庫の確保を要請していきます。今後もしっかり対応していきたい」と回答しました。
ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」が評判になっています。安倍首相夫妻も見たということです。
フランスの文豪ビクトル・ユーゴー原作で日本訳は「ああ無情」。世界中で幾たびも映画や演劇で上演されてきました。時は19世紀半ば、産業革命により、生産力が飛躍的発展するが、貧富の格差は拡大、女性や子どもまで過酷な労働を強いられ、不要になれば捨てられる。小林多喜二の「蟹工船」とも共通する社会の不条理を告発するとともに、社会変革への希望も示しています。
時代は進んで、自動車や携帯電話があふれる社会になっても、就職難、リストラと社会の構造は19世紀のまま。「レ・ミゼラブル」は現代に通ずるものがあるからこそ、多くの観客を引きつけているのです。大企業が繁栄してこそ、庶民の懐が潤うとの考えの安倍首相は、このことがわかっているのでしょうか?
昨年末は雪が多く、年明けはどうなる事かと思われましたが、きびしい寒さにもかかわらず、雪が少なく一息つけました。地区委員会に入る道路脇の雪山も、1月中旬には排雪でなくなりましたが、下旬にはまた雪が降り出し、再び雪山ができました。
2月に入って、暖かい日もありましたが、まだまだ油断はできません。
13年02月10日付「豊平区新聞」より