厚生労働省北海道労働局は、先月27日、保育所等に対する監督指導結果を公表しました。
監督指導を行った220事業場のうち181の事業場で違反が見つかり、違反率は82％と高い割合でした。法令違反の内訳は、①法定労働時間に関する事項（時間外労働に関する労使協定を締結・届出せず、時間外労働を行わせている）133件、②労働時間の明示に関する事項（書面で労働条件を明示していない、または法定で定める必要な事項を明示していない）71件、③時間外労働の割増賃金に関する事項（法定の労働時間を超える時間外労働に対し25％以上の割増賃金を払っていないなど）36件、④就業規則に関する事項（私立保育所で10人以上の労働者がいる場合、就業規則の届出がされていないなど）24件、など総計331件（１事業場で複数の違反あり）にのぼっています。
北海道労働局では、今回の監督指導結果を踏まえ、関係行政機関及び関係団体に対し、保育所における職場環境の整備について要請を行いました。また、今後も法令上問題があると認められる事業場に対しては監督指導を実施していくほか、各事業場における職場環境の整備にむけた周知・啓発を行っていくとしています。
改善を求める真下道議この結果を受け、日本共産党の真下道議は、５日、道議会少子・高齢社会対策特別委員会で、道に対し改善策を求めました。違反の一番多かった労働時間について、「道が指導する公立保育所で労働時間をどう確認しているか」との質問に対し、道は「出勤簿の使用は義務づけられていない」と述べ、労働時間の管理が使用者まかせであったことが明らかになりました。真下道議は、道の責任で把握するよう求めました。
保育士の賃金についても、「北海学園大の川村准教授の調査では、公立保育所でフルタイムで働いても非正規保育士の場合は、年収200万円に満たない人が６割を超えている」と指摘し、改善を求めました。これに対し、道保健福祉部長は「事態を重く受け止めている」と述べ、早い時期に労働局や関係団体、札幌市や旭川、函館などの政令・中核都市をふくめた意見交換の場を設け、法令順守の徹底や処遇改善に努めることを約束しました。
戦前、２月11日は、神話をもとにした日本誕生の日「紀元節」とされ、天皇制を合理化し、日本を侵略戦争に駆り立てる役割をはたしました。1966年、時の自民党政府は、宗教者や平和を願う多くの人々の反対を押し切って、この日を「建国記念日」として復活させました。しかし、これに反対する運動が各地でわき起こり、北海道でも宗教者や学者、労組などによる「靖国神社国営化阻止道民会議」が結成され、２月11日には紀元節復活反対道民集会を開催してきました。
今年も11日にさっぽろ芸術文化の館で開催され、小樽商科大学の荻野富士夫教授が「99％の戦争支持・協力者と１％の戦争批判・抵抗者」と題して、講演を行いました。
主催者として挨拶に立った札幌北光教会の後宮（うしろく）氏は、「秘密保護法は思想信条、信教の自由を奪うもの。国が思想を統一しようとする時は戦争を始めるとき」と最近の安倍政権の動きに警鐘をならしました。
また、先の東京都知事選で、侵略戦争を否定する田母神候補が若者を中心に60万をこえる得票を得たことについて、「今の若者は、事実を知らされないで、この国の将来への不安を、うすっぺらいナショナリズムにより、他国のせいにしようとしている。若者の心を育て、良心を守り、人間として生きる力をつけさせることが大切。今日の講演を聞いて、それぞれの場で若い人たちの心を育てましょう」と呼びかけました。
荻野教授は、「戦前、99％の人たちが戦争を支持し協力した。近未来においても、もっともらしい理屈のついた戦争が勃発した際にも不承不承の賛成も含め、99％が戦争を支持する危険性がある。圧倒的多数、99％の人たちのあり様が問われる」と、当時の思想調査結果をもとに語り、教育における思想の統制、言論の自由の圧殺がいかに大きかったかを示しました。
さらに、秘密保護法については、「戦前の軍機保護法でさえも、制定に当たって、その範囲が拡大され、無実の国民を罪に陥れる危険性が指摘され、法案を通すのに４年もかかった。これに比べ今回の秘密保護法はあっさりと１ヶ月で通されてしまった」とその危険性を指摘しました。
しかしながら「破壊活動防止法はオウム事件でもその適用を許されなかった。反対運動が高まれば、秘密保護法もその適用のハードルを高くすることができ、さらには法律自体の廃止にもつなげることができる」と、反対運動を続ける必要性を強調しました。
集会は、各自治体、議会議長宛に、「憲法改悪に反対を表明し、憲法を順守すること。国務大臣が、靖国神社を参拝しないよう求める意見書の決議をあげること」など９項目の要請事項を含む要請文を採択し、平和憲法を守る決意を固めあいました。
今年の集会は、安倍政権の危険な動きを受け、500名と多くの参加がありました。
14年02月16日付「豊平区新聞」より