原発に対する不安が高まっているなか、豊平区革新懇では23日午後、日本科学者会議の石崎健二会員を招いて「原発事故と泊原発問題」と題する講演会を開催しました。
はじめに石崎氏は原子力について「燃料となるウランはアズキ1粒くらいの量で、核分裂により石炭3トン分ものエネルギーを発生する。広島に落とされた原爆は卵1個程度のウランで作られていた」と原子力の大きさを強調しました。福島原発事故については、「地震発生とともにウランの核分裂反応は自動的に停止したが、原子炉内にはそれまでの核分裂でできた放射性物質が蓄積されており、これからはいつまでも熱(崩壊熱)が出続ける。福島1号機では現在3,000Kw程度の熱が出ており、1年後でも2,000Kwまでしか低下しない。原子炉の圧力容器は6畳の部屋くらいの大きさで、この中に1Kwの電気ストーブが3,000台もあることになる」と、原子炉の崩壊熱が大きくかつ、長く続くことを強調しました。福島5,6号機は「運良く冷やせた」とし、原発の運転は運まかせという所があると語りました。
泊原発については、「福島原発事故では、広島原爆の20〜40発分の放射性物質がまき散らされたと推定されている。泊原発は札幌から70Km、福島原発事故による放射能汚染の広がりを泊に適用すると、札幌も汚染地域に入る。放射性物質の多くはセシウムで、その半減期は30年と長く、放射線量は1年や2年ではほとんど減らない。」と、危険性を指摘しました。
また、「泊原発の安全性について、北電は、『配管の破断によって原子炉から水が失われても非常装置により原子炉に水を送れる仕組みになっている、すべての電源が失われても30分間は原子炉を冷却できる』としている。しかし、原子炉は長い間冷却しなければならず、すべての電源が失われ30分以上経過したらどうなるか、非常装置も途中の配管が壊れたら冷却出来なくなる」と語り、泊原発も一旦事故が起これば福島と同じ事態になると警告しました。
参加者からは、「現在避難している方々はいつになったら戻れるのか」との質問がありました。これに対して石崎氏は、「放射能は少なければ少ない方が良いので判断は難しい。汚染された表土をはぎ取るなど放射性物質を取り除く効果はあるが、まず場所ごとにどれだけ汚染されているかきちんと調べることが必要」としました。
豊平区革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす豊平区の会)は、講演会のあと第18回の総会を開催しました。はじめに、世話人代表の栃久保氏より「豊平区革新懇は今年で30周年を迎える。この間地道な活動を維持し、地域の共同行動でも新たな経験を作り出しており、大震災、原発事故と日本の進路が問われる中、新たな前進を期したい」と挨拶がありました。
この1年間の経過報告では、毎月2回の署名・宣伝行動に取り組んだこと、共同行動として、「国民平和大行進・豊平コース」に取り組んだことなどが報告されました。
今後の活動については、引き続き革新懇の三つの共同行動(①暮らしが豊になる日本をめざす、②自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③非核・非同盟・中立の日本をめざす)を広げていくこととし、署名宣伝行動、講演会、シンポジウムなどに取り組んでいくこととしました。また、「世話人会議」を開催し、組織強化に取り組むこととしました。役員として世話人23名を選出し、このうち11名を世話人代表とすることとして総会を終わりました。
新日本婦人の会豊平支部と豊平区革新懇話会は、9日午後、東月寒のスーパー前で、16日午前は地下鉄南平岸駅前で「核兵器廃絶、原発からの撤退、平和憲法を守ろう」と宣伝署名行動を行いました。
東日本大震災からの復旧・復興と福島原発事故に対する被害補償が急がれています。しかしながらその財源を消費税増税によってまかなおうとする動きが強まっています。豊平区革新懇と新婦人豊平支部は、25日午後、平岸駅前で消費税増税反対の宣伝署名行動を行いました。
この行動には7人が参加し、「震災復興財源を言うなら、まず政党助成金320億円を返上すべきです。米軍への思いやり予算もやめるべきです」との訴えに、27筆の署名が集まりました。
26日午後、新日本婦人の会、生活と健康を守る会、月寒ファミリークリニック労組など区内12の団体で作る実行委員会による「豊平区平和のつどい」が区民センターで開催されました。
「つどい」にはお母さんとともに子供達も参加し、「ママと子どもたちの平和の絵本読み聞かせ」で始まりました。原爆の絵本の読み聞かせに子供達は真剣に聞き入り、後ろで聞いている大人たちも感動しました。続いて、みんなで「青い空」と「折り鶴」を合唱し、平和の詩の朗読のあと、原水爆禁止世界大会と母親大会に参加する方々の紹介と挨拶を受けました。
新婦人豊平支部から原水禁大会に参加する大原さんは、「いろんな体験をしてみたいと大会に参加することとしました。みなさんから託されたことを伝えてきます」と挨拶しました。また月寒クリニックから原水禁大会参加する小林さんは、「先生方や婦長さんから若いうちに経験をと、言われ参加することにしました。いろんな方と交流し、学んできたいと思います」と挨拶しました。母親大会に参加する池田ゆみさんは「みなさんのいろんな思いを伝えるとともに、各地のお母さんたちと交流し学んできます」と挨拶しました。
「つどい」では戦争を語り継ぐことをテーマにしていますが、今年は弁護士の高崎裕子さんをお招きして、「ナヌムの家と憲法9条」と題し、講演をしていただきました。高崎弁護士は「慰安婦」問題に取り組んでおり、その過酷な事実を語るとともに、「『慰安婦』問題は女性の人権確立の問題でもあると語り、平和運動を女性が担うことの意義について訴えました。
この時期、札幌では路傍や草むらなど至る所に白い花を咲かせています。花も葉も人参そっくり。根が肥大しない点を除けば食用の人参と変わりありません。食用人参の野生種で世界各地に広がっています。花が終わると、人参特有のトゲトゲのある種子が形成され、動物や人の衣服にくっついて広がります。その頃には札幌にも秋風が吹き夏も終わりです。
11年07月31日付「豊平区新聞」より