2月14日から第1回定例市議会が始まります。今回は行財政改革プランや公契約条例など重要な案件が審議されますが、これまでの市議団の活動をお知らせします。
札幌市議会には、4年間で80万円を上限に「海外視察」にいける制度があります。共産党市議団は20年前から自主的に「海外視察」をやめ、廃止を主張してきました。今期(4年間)、議員の海外視察を凍結させることになりました。今年度分の1,360万円は奨学金として活用されることとなりました。
共産党市議団の働きかけで実現した住宅リフォーム助成制度。昨年は受付開始11日間で予算枠(1,500万円)に達し、8月の追加募集(1千万円)も申し込みが殺到。市議団の「補正予算を組んで事業を拡大すべき」との求めに、市側からは「市の事業費に対し約20倍の波及効果がある、予算拡大を検討する」との答弁がありました。共産党市議団は、この制度をさらに使いやすいものにしていくよう頑張ります。
札幌の保育所待機児童は、昨年10月で2,457人。定員をオーバーしている超過入所と「申し込みはこれから」という潜在的な待機者も含めるともっと多くに。市議団は「保育所を増やせ」と求め続けてきました。2014年度までに4千人分を増やす計画になりました。
市議団は「特養ホームに申し込んでも入れない人は6,123人もいるのは問題」と特養ホーム待機者の解消も訴え続けてきました。市は4年間で1000人分を増やすとしていますが、まだまだ足りません。さらに増やすことを求めています。
札幌市は財政難を理由に、市民に負担増を求める「行財政改革プラン」を定例議会で決定しようとしています。この中には、保育料の値上げ(約10%)、延長保育料の有料化(1時間100円)、児童クラブ利用料有料化(1ヶ月3千円)、市営住宅使用料見なおし(減免世帯の家賃引き上げ)などが含まれています。さらに敬老パスやパークゴルフ場の利用料の見なおしなどが検討されています。
野田内閣が消費税の引き上げに執念を燃やす一方で、各種保険料や医療費の負担増、年金の切り下げと国民に負担を押し付ける中、市民にこれ以上の負担を押し付けるのをやめさせるため、共産党市議団は頑張ります。
札幌市は市が発注する公共事業や業務委託で働く労働者に、受注業者が適正な賃金を払うことを義務づける公契約条例を2月の定例議会に提案する予定です。
昨年11月には素案が示され意見募集が行われました。制定を歓迎する動きがある一方、建設やビルメンテナンスなどの業界団体からは、「賃金上昇で経営が圧迫される」「他業種の労働者との間に賃金格差が生ずる」と反発の声も出ています。
昨年12月の定例議会では、坂本きょう子市議は「公契約条例は、公契約のみならず、民間企業同士の契約にも影響を与え、働く市民のふところをあたため、地元企業を応援し、地域経済の活性化につながっていく」とその実現を求めると共に、条例の適用範囲の改善を求めました。
公契約条例の素案では、工事請負契約の場合「予定価格5億円以上、プラント工事については2億円以上」を適用範囲とするとされています。これを2010年度実績にあてはめると、公契約条例の対象となる事業は22件、金額で21.8%にしかなりません。また、清掃などの業務委託契約は、予定価格1000万円以上を対象としています。坂本市議は本市が行うすべての契約に公契約条例を適用させるよう求めました。 これに対し、上田市長は大規模契約に限定し、制度の定着を優先する考えを示しました。
昨年12月には札幌地区労連が札幌市に対し、公契約条例の制定を要望しました。要望では、「公契約は労働者の賃金底上はもとより、地域経済の活性化、市民サービスの向上にもつながる」と実現を求めました。対応した生島副市長は、「市としても公契約の意義については同感だ」とし、業者団体から出されている「最低制限価格や落札額の引き上げについても、来年度から改善するよう検討中」と回答しました。
また「公契約条例制定は、上田市長の重要な公約なので市としても全力をあげたい」と決意を述べました。
【公契約条例】自治体が発注する公共工事や業務委託で働く労働者に、適正な賃金の支払いや労働条件確保を、受注企業などと結ぶ契約(公契約)で義務付ける条例。低入札価格のしわ寄せで、賃金が低下したことを改善しようと2009年に野田市(千葉県)が制定。その後、川崎市、相模原市、多摩市(東京都)が制定しています。札幌市で制定されれば全国5番目となります。
公契約条例を巡って、1月26日夜、札幌で「反貧困ネット北海道」主催による集会が開かれました。
集会では上田市長が条例素案の概要を説明し、「仕事をしている人が食べられないと言う状況は容認できない」としました。
パネルディスカッションでは北海学園の川村准教授、全労連の斉藤氏らが発言、「落札価格低下のしわ寄せが労賃に集中している。官が生み出したワーキングプアーの実態を直視すべき」「公的サービスの質の低下が住民の命と安全を脅かしている、公契約の適正化が必要」「賃金上昇分は落札価格に上乗せされるので、全国的には事業者も歓迎している。誤解を解けば業界団体も賛成してもらえる」などの意見が出されました。
庭の除雪で雪を堀り返したら、真っ白な雪の中に、なにやらゴミのようなものが。よく見るとシラカバの種でした。冬になるまで枝に残っていたシラカバの種が、寒風にあおられ飛んできて雪に埋もれたようです。
長さは4mmほど。虫メガネで見ないとよくわかりませんが、蝶々のような形をしています。羽根のような薄膜がありこれでヒラヒラと遠くに飛んでいけます。触角のように見えるのはめしべの名残です。
12年02月05日付「豊平区新聞」より