消費税増税法案が民・自・公の3党により衆院で強行採決されましたが、これに先立つ6月23日午後、豊平区革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす豊平区の会)は、自由法曹団の神保弁護士を招き「消費税増税と比例定数削減を考える」と題して講演会を開催しました。
神保弁護士は、昨年12月に発足した北海道青年革新懇の代表の一人でもある新進気鋭の弁護士です。冒頭、神保弁護士は「私は公務員の首切り、タクシー労働者の問題、自衛隊問題などに関わってきました。少人数ではどうしても尻込みしがちになるが、青年同士のつながりでがんばれるよう青年革新懇を立ち上げた。青年革新懇に加わってくれる青年を紹介下さい」と訴えました。
神保氏は、政府やマスコミが言っている「消費税増税やむなし」とする理由はウソであると、具体的なデータを示しながら、以下のように解説しました。
今、日本の消費税は5%(国が4%、地方が1%)ですが、国税に占める消費税の割合は24.4%でイギリスやスエーデンの21%より高く、世界でもトップクラスになっている。日本の消費税率はイギリス、スエーデンに比べ低いが、すべての取引にかかっているため、総額ではきわめて大きい。
日本の税収が落ちてきたのは所得税、法人税が減ったからである。この上、消費税を増税すれば、景気を悪化させ、税収を落ち込ませるだけである。
「消費税は社会保障のため」と言われてきたが、消費税が導入されてから今日までに総額200兆円余りが消費税として徴収された一方で、法人税が大幅に減税され、結局法人税減税に回されてしまった。今回出されている増税法案も法人税減税と抱き合わせ、社会保障を充実させる政策は出されていない。社会保障の財源は消費税でなく、企業保険料と消費税以外の税金を使うのが国際標準である。
「消費税はみんなが負担するので公平な税だ」と言いますが、ぎりぎりの生活をしている人と、何億円もの所得のある人では負担感はまったく違います。10%になれば暮らしていけない人も出ます。大企業では、下請けに消費税分を値引きさせその分を懐に。また、輸出品には消費税がかからないので、輸出品の製造段階でかかった消費税が国から戻してもらえます。大企業では消費税を負担するどころか、もうけの手段ともなります。
神保氏は、結論として、「消費税増税は社会保障充実というウソと引き替えに、庶民に負担を押し付け、大企業と富裕層を優遇する税制である」と指摘しました。
つぎに、神保氏は、比例定数削減のウソについて以下のように指摘しました。
国会議員の定数削減で経費節減と言うが、80人減らしても56億円。政党助成金の320億円には手をつけず、一機99億円もするF35戦闘機を4機も買ったり、1200億円もするイージス艦を買ったりと、無駄な経費は野放し。
「小選挙区では厳しい争いになるから、優秀な議員が育つ」というが、現実はその時の風で当選する人気者を公認に。いつ負けるかわからないから、目先のことが中心に、それには中央の支援が必要と中央集権的になる危険性も。小泉チルドレン、小沢ガールズばかりになってしまう。
神保氏は、「比例定数削減は半分余りの得票でほとんどの議席を占める小数政党による国民の声封じである」と指摘し、「革新懇が直ちに行動に立つくらいの気概がないと、比例定数削減で消費税が18%にも引き上げられることになる」と行動の必要性を訴えました。
神保氏は、22日夜に原発再稼働反対で官邸を取り囲んだ4万人を超えるデモについて、今までマスコミが無視してきたが取り上げざるを得なくなったと指摘。こうした広い運動こそ必要と講演を締めくくりました。
豊平区革新懇は講演会の後、第19回の総会を開催しました。
開会にあたり、岡野代表世話人は、「今の政治は、基地問題、TPP、原発問題など、どれをとっても大企業優先で、働く若者や高齢者への配慮、基本的人権への配慮に欠けている。こうした政治を続けるため国民主権の精神を逸脱し、憲法を改悪するもくろみもある。革新懇はこのような悪弊を除き、平和、民主主義めざしてきた。今後も活動を力強く進めるよう協力を」とあいさつしました。
生駒事務室長による経過報告、活動についての申し合わせ等の提案の後、討論を行いました。
討論では、毎月2回行ってきた街頭宣伝行動が効果的であったこと、今年の平和行進が多くの参加で成功し良かったこと、などが出されました。
総会は、24人の世話人と11人の代表世話人を選出し、平和や暮らしの問題で共同行動に取り組むとともに、講演会等創意的な取り組みを行うこと、会員拡大、世話人会議の開催など組織強化に取り組むことなどを確認して終了しました。
過日、共産党の南平岸後援会と党支部は、「原発ゼロを願う平岸住民のつどい」を開催しました。
つどいには35人が参加、道原発問題連絡会の米谷事務局長と、福島から札幌に避難者してきている本田さんからお話をうかがいました。
米谷事務局長は、日本共産党の原発政策を説明するとともに、「原発ゼロの日本を実現するためには、国政の転換、国会の力関係の変革が不可欠」と語りました。
本田さんは、原発から60km離れている鏡石町から避難。「中学生の娘がいるので家族で相談して移住を決めた。きっかけは、倉本聰の書いた新聞記事を読んで」などと話されました。
気仙沼での救援ボランティア活動に参加してきた池田ゆみさんにもその様子を語ってもらいました。
原発問題を身近に考える良い機会となりました。
この時期、庭の片隅に細長い葉をつけた紫のランが咲いているのを見かけます。舌のような中央の花弁に縦の皺が見えるのが特徴です。ランと言えば育てるのが難しく、札幌では冬越しも大変ですが、このランは戸外に植えておくだけで、特に管理をしなくても良く育ちます。
名前は「シラン(紫蘭)」。この花の名前は?と聞かれて、「知らん」と答えれば漫才になります。球根(りん茎)で増えますが、この球根は薬用にも使われます。
12年07月01日付「豊平区新聞」より