9月24日夜、紙智子参議院議員を招いて、豊平、清田、白石、厚別の4革新懇による講演会「TPPと国民生活」が、白石区民センターで開催されました。会場いっぱいの155人が講演に耳を傾けるとともに、TPPについて語り合いました。
以下紙氏の講演の概要をお知らせします。TPPの問題点については次号以降でお知らせします。
アジア経済の取り込みもくろむアメリカ
党のパンフ「これならわかるTPP10問10答」を示し語る紙氏TPP(環太平洋経済連携協定)は、ニュージーランド、チリ、シンガポール、ブルネイの4カ国の協定として、2006年に発足。この際の原則は①関税の撤廃、②非関税障壁(食品添加物の規制や農薬の規制など関税によらない規制)の撤廃の二つだけでした。しかし、発展するアジア経済の取り込みを図りたいと、ゼネラルエレクトリック、ボーイング、エクソンなどといったアメリカの大手企業連合がブッシュ政権の時に働きかけ、オバマ政権になって、アメリカが主導権を握ってこれを利用しようと乗り込んできたものです。協定の原則として新たに24項目を追加、現在アメリカ、日本を含む9カ国が交渉中です。
参加反対の国民世論がブレーキに
野田首相は、「TPP参加ありき」で前のめりになっていますが、4月末の日米首脳会議、6月のG20、9月のAPECでも参加表明ができませんでした。この背景には、TPP参加反対の国民世論の高まり、これを受けての民主党内での慎重派の拡大、それに加え、TPP参加の条件として米国から突きつけられている自動車、保険(簡保)、輸入牛肉の3分野での折り合いがついていないことがあります。米国議会と日本経団連はTPPの参加を要求していますが、日本が進むべき道はアメリカ追随ではなく、東アジア諸国との平等、互恵の経済発展です。食料を外国に依存するのではなく食料主権に立った貿易ルールこそ必要です。
TPP反対を国会の多数派に
原発なくせの声は圧倒的多数の国民の声になってきました。それと比べるとTPP反対はそこまで大きな世論になっていません。
しかし、当初マスコミはTPP推進論ばかりでしたが、私たちの運動やJAグループなどの努力によって、国論を二分するまでに反対の声を押し上げてきました。正式参加になっていない、秘密交渉で中身が知らされないなど、話題になりにくい面はありますが、TPPは国民にとって「百害あって一利なし」であることを広く知らせて行くことが必要です。
TPPは最後、国会で批准するかどうかで決まります。口では反対を言っていても、批准では賛成に回る議員もいます。TPPに断固反対する会派を多数にしなければなりません。
講演のあと、参加者からの質問、発言などを受け付けました。衆院3区予定候補の森つねと氏は、「しんぶん赤旗の記者として、様々な方々の声を聞いてきたが、TPPは農家だけの問題ではない、都市の人々も反対して欲しいという声を聞いた。TPPは農業だけでなく、食の安全をもだめにしてしまう。反対の声を広げて行きましょう」と訴えました。
また、損害保険の自営業の方からは、「民商でやっている自前の共済制度について、かつて監督官庁からだめだと言われたが、それを押し返して継続している。TPPに入るとこうした共済制度はどうなるか」との質問が出されました。紙議員は「アメリカの商工会議所は郵貯、簡保などを自由競争を妨げるものとしてやり玉に挙げている。農協の共済なども問題としている。アメリカの保険業界は海外に出て行ってまで客を奪おうとしている。こうした自前の共済制度は守っていかなければならない」と答えました。
9月14日に続いて、豊平区の新婦人と革新懇は、24日午後、豊平フードセンター前で、消費税増税反対、核兵器廃絶、原発ゼロをめざす署名宣伝行動を行いました。
マイクからは、「生活を壊してしまう消費税増税の実施をやめさせましょう。原発なくせの声を野田首相は聞くべき」と訴えました。訴えに、買い物に訪れた方々が署名に応じていました。
今年の札幌は、「暑さ寒さも彼岸まで」のとおりになりました。彼岸を過ぎて、ようやく涼しくなりました。寒気が入ってきたおかげで、何度かカミナリも鳴りました。先日も夕立のあと、二重の虹がかかり、下校途中の子供たちが歓声をあげていました。
秋の代表的な花です。メキシコ原産の花で、花の色は白からピンク、赤、濃い紫と多彩です。一つ一つの花より一面に咲く姿が華やかでみごとです。
春の桜に対して秋桜とはうまく名付けたものです。コスモスという学名そのままの名より品があります。
最近は、春は菜の花、夏はヒマワリ、秋はコスモスと一面に花を咲かせた畑が各地に作られています。近くでは、清田区の滝野スズラン公園にコスモス畑があり、今、見頃となっています。
12年09月30日付「豊平区新聞」より