現在開会されている札幌市第3回定例市議会において、26日午後、日本共産党を代表して、坂本きょう子市議が代表質問を行い、原発問題、市住家賃減免制度改悪などについて市長の姿勢をただしました
原発問題について、坂本市議はこの夏の電力が、泊原発が止まっていても道民の節電努力もあって、十分足りたことを指摘しました。また、「北電の計画停電予告は脅しではなかったのか、冬場も電力不足にはならない」という声があると指摘し、上田市長に対し、原発を「将来的にはなくす」ではなく、「ただちにゼロにする」決意を明らかにし、そのための手立てを進めて行くことを求めました。
上田市長は「冬の節電対策を、市民、事業者と連携し、原発がなくても乗り切っていけるよう取り組んでいきたい。節電や省エネ対策、再生可能エネルギーの普及促進で脱原発依存社会の実現をめざし、取り組んで行きたい」と答弁しました。
市営住宅家賃減免制度の改悪について、坂本市議は、「減免制度は、生活保護基準(月額7万2千円)以下の収入でありながら、生活保護を受けていない世帯を支援するもの。今回の改悪はこうした低所得者をねらい打ちにする弱い者いじめである」としてやめるよう求めました。
秋本副市長は、「市住に入居できない人もおり、こうした方々との公平性の確保も必要、市住の修繕費等の確保の観点からも制度の見直しは必要」としました。
これに対し、坂本市議は「公平性というなら、市営住宅の家賃を民間賃貸住宅と同じにまで引き上げなければならないことになる。入居希望者全員を入居させるべき。市には年間1万2千件ほどの要望や苦情が寄せられているが、市営住宅家賃が安すぎるという声は1件も来ていない。市民に不公平感はない。家賃減免は不公平なことではない」と指摘しました。また、修繕費の問題については、「修繕費には一般財源が使われており、家賃収入と関係ない。家賃収入が増えれば修繕費が増えると言う関係にはない」として減免制度改悪の理由にならないと指摘しました。副市長の答弁は、市の「行財政改革推進プラン」の中であげている家賃減免制度の見直しの理由を繰り返し述べたにすぎませんでした。
夏の節電期間が終わりましたが、北電は泊原発を動かさないと冬の電力が不足すると言っています。電力は足りないのでしょうか。道原発連の米谷事務局長は、道内の電力供給は十分あると以下のように説明しています。
過去の北海道における冬の最大電力需要は579万kwでした。これに供給予備率の3%を加えると597万kwが必要になります。現在北電の発電設備容量は750万kw、これから泊原発3基分を引くと543万kwです。これでは54万kw不足します。しかし、北電以外にも、電源開発のように北電に電力を供給している会社があり、これらは83.8万kwもあります。原発を動かさなくても合計で627万kwとなり十分な電力を供給できます。
この他にも、会社や病院などが独自に持っている発電設備があり、これらをフル稼働させれば200万kw余りの電力が供給できます。さらに北電は電力の受給見通しに入れていない風力発電を36万kw買い取る契約を結んでおり、今年度新たに20万kw増やし56万kwになるとしています。また、本州の電力会社からも最大60万kwの融通を受けることもできます。このように、泊原発を動かさなくても、冬の電力供給は十分確保できます。
今年の夏は、道内で最大の苫東厚真火力発電所4号機(70万kw)が停止していましたが、この冬には稼働します。北電は苫東厚真4号機が故障するような事態になれば受給見通しがたたなくなるとしていますが、泊を動かすための口実とも受け取れます。
TPPでアメリカがねらっているものの一つに、遺伝子組換え表示の撤廃があります。現在、トウフや納豆などでは遺伝子組換え原料を使っている場合、表示が義務づけられています。残念ながらしょう油やサラダ油などは、製造の過程で遺伝子(DNA)が分解されてしまうので検出できず、表示が義務づけられていません。遺伝子組換えの原料を使用していない場合は任意で、「遺伝子組換えでない」との表示はできます。
アメリカの巨大バイオ化学メーカーのモンサントは、たくさんの遺伝子組換え作物を作り出しています。この中の目玉はラウンドアップという除草剤をかけても枯れない作物です。ラウンドアップはモンサントが開発した除草剤で、ほとんどの草木を枯らしてしまう強力な除草剤です。ホームセンターでも売っており家庭でも使えます。ラウンドアップは土壌中の微生物で分解されてしまうので残留しないという都合の良い性質も持っていて、ラウンドアップを使ってもすぐにつぎの作物が作れます。
モンサントが開発したラウンドアップをかけても枯れないトウモロコシやダイズを作れば、ラウンドアップを1回かけるだけで、めんどうな除草作業は不要になります。しかし、種子も除草剤もモンサントに頼らなければなりません。自分で勝手に種を取って使えば、特許侵害で訴えられます。モンサントにしてみれば、遺伝子組換え作物が広がれば広がるほど、世界の穀物栽培を支配でき、除草剤と種子の両方から莫大な利益が転がり込むことになります。それには遺伝子組換え表示がじゃまなのです。
TPP参加を強く主張している日本経団連の米倉会長は住友化学の会長でもあります。住友化学は日本を代表する化学メーカーですが、モンサントとも深い関係にあります。ラウンドアップが効かなくなった雑草対策に、住友化学が手を貸しています。アメリカと日本の大企業が手を結んでTPP参加をけしかける背景には、莫大な利益があります。
リンゴが色づく季節となりました。環状通のリンゴ並木にもリンゴがたわわに実っています。最近はリンゴの品種も多くなりました。
環状通のリンゴ並木は1974年、実のなる木を植えて街並みに彩りを添えてはどうかと誕生しました。現在、豊平区役所前から、国道36号線までの中央分離帯に、1kmあまりに渡ってリンゴが植えられています。品種はは「旭」「レッドゴールド」「アカネ」「きたかみ」など、11品種75本が植栽されています。
以前はリンゴ祭りが開催されていましたが、交通量の増大による事故等の懸念などから、1999年を最後に、中止となりました。ちなみに、豊平区のマークはリンゴです
リンゴは接ぎ木でふやします。環状通のリンゴも根本を見ると接ぎ木の跡が見られます。
12年10月07日付「豊平区新聞」より