豊平区社会保障推進協議会(豊平区社保協)第17回定期総会が5月31日午後、月寒ファミリークリニックで開催されました。第1部では、札幌地区労連事務局長の木村俊二さんが、「ブラック企業の実態とたたかい」と題して記念講演を行いました。
はじめに木村氏はブラックな実態について次のように語りました。
非正規労働の最たるものはコールセンターだが、ここでは契約が3カ月更新。3カ月で評価がなされ700円台の低い時給の中で差が付けられる。ノルマが達成できないと肩たたきでやめさせられる。雇用の確保ということで、市から助成金が出ているが、3カ月更新の繰り返しで、いつでも首を切れるようにしている。
飲食業界の「つぼ八」は、残業代の未払いなどで労基署がたびたび指導に入っている。未払いは是正されたものの、時間給が下げられ、結局手取りは変わらないままにされた。小さい所では店長のみが正社員で、実質、非正規労働者が低賃金で店を切り盛りしている。
学生アルバイトにもブラックな実態がある。多くの学生が飲食店で働いているが、安い賃金にもかかわらず、責任を持たされ働かされている。
闘う運動が起ってきている
ブラック企業では、若者を使い捨てにし、毎年多くの労働者が辞めていく。こうした実態を、若者自身が「自分の責任」と感じたり、「えり好み」だとする社会的風潮があったが、近年、これは若者の責任ではないと、闘う運動が起こって来ている。
数年前、携帯電話の販売をしていたノーステックテレコムが、前社長の不祥事を受け、何の非もない非正規職員を突然解雇。こんな理不尽なことは許されないと労組を結成し、会社と団交、解決金を一人120万円払わせた。最近では、北大で学生アルバイトの労働組合も立ち上がった。
ブラック企業がはびこる背景として、木村氏は以下のように語りました。
第一に、労働組合の弱体化があげられる。労働組合の組織率は2割、しかも連合を中心とした大企業の組合が圧倒的割合を占め、道内で4割を占める非正規労働者は組織されていない。
次に、世界の流れに逆行し、日本では労働法制の改悪が進められてきた。小泉内閣の時に製造業にまで派遣が認められ、安倍内閣のもとでは、残業代を払わなくて良い制度(ホワイトカラーエグゼンプション)の導入や限定正社員の導入がされようとしている。ホワイトカラーエグゼンプションは専門職だけに限定するというが、限定はすぐなくなる。限定正社員では、その地域での仕事や業務がなくなれば解雇が自由にできる。ブラックな働かせ方を合法化する方向だ。
ブラック企業の背景に社会保障の切り捨て
講演する木村氏労働者の低賃金と雇用の不安定化の背景には社会保障の切り捨てがある。ヨーロッパでは社会保障が充実しており、失業しても2年間は生活していける保障がある。だから、低賃金でもとにかく仕事に就かなくてはということがなく、賃金水準が高い。労働条件の改善ととともに、社会保障の充実をめざす運動が大切である。
同じ労働者の中での格差是正も必要である。介護の職場では、手取りで15万程度と低い賃金で、入れ替わりが激しい。3年も勤めるともう責任者にさせられるが、手当は5千円と少ない。タクシー業界では生活保護以下の賃金で、60才以上が圧倒的に多い。年金をもらいながらでないと生活できず、若い労働者は入ってこない。
まともに働いても生活できないことは人権問題でもある。アメリカでは党派を超えて運動が起こっており、日本でも運動が広がっている。
最後に、木村氏は「ブラック企業をなくす闘い、貧困をなくす闘いを、憲法25条で保障された生存権や28条の団結権など世界に誇れる憲法を守るたたかいとともに進めていきましょう」と訴え講演を終わりました。
続いて開かれた総会では、1年間の活動報告と2014年度の活動方針を審議し、採択しました。
新しい企画としては、豊平区としては初めての「SOS生活何でも相談会」を関係団体と協力して、6月29日(日)に開催することとしています。
「豊平区民の要求を実現する連絡会」が提出した要望についての交渉が17日(火)午前、豊平区役所で行われることとなりました。
提出された要望書は細目に分けると77項目になります。これらについて一つ一つ交渉している時間がありませんので、連絡会では、重点的な項目について豊平区からの説明を受け、交渉を進める事としております。
(以下次号に続く)
原産地は中国。古く日本にもたらされ、薬用として用いられたが、花が豪華なことから、品種改良が重ねられ、多様な品種がある。花の色は、もともとは紫紅色だが、白、薄紅、赤、黄などがあり、花の大きさも中くらいのものから大輪のものまである。関東地域では、冬に咲く寒牡丹が有名ですが、これは、春と秋に花をつける二季咲きのものを、春の蕾は摘み取り、秋の蕾を晩秋から1月に咲かせるもので、花のない時期を彩ります。
ボタンは美人の形容に使われますが、同様に使われるシャクヤクとは同類です。花も似ていますが、シャクヤクが草であるのに対し、ボタンは木であることが大きく違います。
14年06月08日付「豊平区新聞」より