道内で唯一福祉灯油の実施を拒ばむ札幌市で1月25日市議会厚生委員会が開かれ、福祉灯油の実施を求める陳情が審議されました。
日本共産党の岩村よね子市議は採択を求めましたが、共産党以外の会派は実施を求める市民の声に背を向け継続審議にしました。
陳情は札幌社保協、新日本婦人の会、生活と健康を守る会などから150件寄せられていました。
二人の市民が陳情の趣旨説明に立ち、「心臓が弱いので室温を25度以上にしなければ動悸がおきる」「風呂を温めるお金がないからお湯を少なくして10日に1度しか入れない」など厳しい生活の状況を訴え、福祉灯油実施を求めました。
市が「福祉灯油には14億円がかかり財政的に厳しい」「貸付金の『あったか応援資金』がある」と言い訳したのに対し、岩村市議は「市民は借りたくても返すことができないほど困っている」「市が積み立てている財政調整基金を使って実施すべき」と指摘、「仙台市や新潟市が福祉灯油をやっているのに、最北の政令指定都市としてあまりにも市民に冷たいのではないか」と訴えると傍聴席から拍手がわきました。
他の会派は「暖房は必要不可欠。福祉灯油を実施すべき」(自民党)「わが会派も福祉灯油を要望した。あらゆるセーフティーネットを講じるべき」(公明党)「陳情者と思いは一緒」(民主党)などと発言しましたが採決を拒否、継続審議に手をあげました。
傍聴席から「いいこと言いながら賛成しないなんてひどい」「やり直せ」と怒りの声があがりました。
岩村市議は「一刻も早い支援が必要なときに継続審議は許されない」と厳しく批判しました。
08年02月03日付「豊平区新聞」より