17日、名古屋高裁は、イラクで武装した米兵を空輸している航空自衛隊の活動を憲法九条違反と判断しました。
現在、航空自衛隊の輸送機部隊がイラク派遣され、バグダッドなどへ武装した米兵を空輸しています。
名古屋高裁は、イラクでは国際紛争が行なわれていると判断したうえ、航空自衛隊の空輸を「武力行使と一体」と認定し、憲法九条に違反すると断じました。
憲法は、武力の行使、武力の威嚇を禁止しています。激しい戦闘が行なわれているイラクで自衛隊が武装した米兵を空輸しているのは、軍事作戦そのもので、憲法違反は明らかです。
航空自衛隊の田母神俊男航空幕僚長は18日、名古屋高裁の違憲判決について、「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねぇ』という状況だ」とのべました。判決をちゃかして無視するような暴言で許されない態度です。
自衛隊機に運ばれた米兵によって死傷したイラク市民は何人になるでしょうか。また、4000人以上の米兵が死亡していますが、自衛隊機に運ばれ、作戦に従事し、死傷した米兵は何人になるでしょうか。
政府は、輸送と武力行使は違う、などと開き直ってきました。
しかし判決は、「他国による武力行使と一体化した行動」であり「自らも武力行使を行なったとの評価を受けざるをえない」と断じ、政府の言い逃れの理屈を崩しています。
航空自衛隊はこれまでイラクで694回輸送を行っています。
輸送人員の75%は米兵(多国籍軍兵士)で物資も64%が米軍(多国籍軍)のものです。
4月22日午後、豊平区革新懇話会は新婦人豊平支部と一緒に、地下鉄美園駅前で、宣伝署名行動を行ないました。
名古屋高裁のイラク派兵の違憲判決に触れ、「イラクからただちに航空自衛隊が撤退することを求め、声をあげましょう」「憲法九条は世界の宝、9条の思いを日本から世界へ広げましょう」との訴えに、若者や、子どもたち、買い物帰りの方たちが呼びかけに耳を傾け、核兵器廃絶署名と憲法署名に協力してくれました。
なかには署名をしながら、「生活も大変です」「何とかして欲しい」「頑張ってください」と、要望や励ましの言葉をかけていく姿も見られました。
08年04月27日付「豊平区新聞」より